病気のお話

いびき(鼾)

いびきは、睡眠中に口蓋垂(ノドチンコ)やその周りの部分が振動して出る音です。
肥満、顎(あご)が小さい、扁桃腺が大きい人や花粉症、鼻炎などで鼻呼吸がしにくくなっている人、お酒を飲む機会の多い人はいびきをかきやすくなります。
眠り始めたらすぐに始まるいびき、仰向けでも横向きでもかくいびき、途切れ途切れで苦しそうないびきは要注意です。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、眠っているときに無呼吸を繰り返す病気です。高血圧、狭心症や脳卒中の原因の一つとなります。当院では、睡眠時無呼吸症候群の検査、治療に取り組んでおります。
睡眠時無呼吸症候群の検査には、自宅でできる検査(終夜酸素飽和度測定、簡易ポリグラフィー検査)と院内で一泊する睡眠ポリグラフィー検査があります。当院ではこれら検査がすべて行える体制となっております。
睡眠時無呼吸症候群の治療には、減量、鼻炎治療、シーパップ治療(鼻マスク式持続養圧呼吸療法)、歯科治療(オーラルアプライアンス治療―歯科に紹介)、生活習慣の改善などがあります。当院では症状や検査結果にあわせて治療のご相談をしています。

いびき&睡眠時無呼吸症候群 Q&A

●いびきについて

    1. 1. いびきとは?
      いびきは、眠っているときに上気道(鼻から声帯までの空気の通り道)で出る音です。眠ったときに上気道に狭い部分ができると、いびきが出やすくなります。いびきの音は、上気道の内側の柔らかい部分がふるえることで発生しますが、口蓋垂(こうがいすい=ノドチンコ)とそのまわりの部分がふるえることで音が出るのが多いと考えられています。
  1. 2. いびきの原因は?
    肥満や扁桃腺が大きい人は、それだけで上気道が狭く、いびきをかきやすいと考えられます。お酒を飲んで眠ると、上気道の内側の緊張がゆるんで狭くなるのでいびきをかきやすくなります。また、アレルギー性鼻炎、花粉症から普段から鼻がつまりやすい人も上気道が狭くなるのでいびきをかきやすくなります。
  2. 3. いびきは治りますか?
    治療をすることで軽減しますが、完治は難しいと思います。診察や検査でいびきの悪化の原因を調べながら改善の方法を見つけましょう。
  3. 4. いびきの治療法は?
    まず自分でできることから始めてみましょう。
    横向きに眠るようにするといびきは減ります。抱き枕や掛け布団を丸めてそれによりかかるようにして横向きに眠る工夫をするとよいでしょう。飲酒の機会の多い人は、回数を減らし、飲酒量をひかえるようにしましょう。
    肥満の人は、まず減量に取り組みましょう。一度に食べる食事の量を減らす、夜8時を過ぎたら食事はごく軽くする、間食(飲み物も)はやめるというふうにしましょう。また、通勤や外出のときには、歩く習慣をつくると時間はかかりますが徐々に減量の効果が出てくると思います。
    アレルギー性鼻炎、花粉症や鼻つまりの人は、耳鼻咽喉科で治療を受け、常に鼻で気持ち良く呼吸できるようにしましょう。
  4. 5. 心配ないびきとは
    飲酒したとき、鼻炎やかぜをひいたときに一時的にいびきをかく場合には、おおむね心配ありません。しかし、眠るとすぐにはじまるいびきや上を向いても横を向いてもかいているいびきは、要注意です。また、途切れ途切れになるいびきやときどき大きくため息をつくようないびきも要注意です。このようないびきは、睡眠時無呼吸症候群にともなういびきの可能性があります。専門の医療機関で診察や検査を受けましょう。

 

●睡眠気無呼吸症候群について

    1. 1. 睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気?
      眠っているとき(睡眠時)に呼吸が途切れたり(無呼吸)弱くなったり(低呼吸)することを繰り返す病気です。一般的には、10秒以上の無呼吸・低呼吸が、1時間に5回以上繰り返される場合には、睡眠時無呼吸症候群と考えられます。重症になると1時間に30回以上も無呼吸・低呼吸を繰り返します。
      睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に無呼吸・低呼吸が起こり、毎晩それが繰り返されるので、自分では気づきにくくなっている場合もあります。いびきがひどい、眠っているときに息が止まっているといわれた人は、体調がなんともなくても一度調べることをおすすめします。
    2. 2. 睡眠時無呼吸症候群はどんな問題がありますか?
      眠っているときに無呼吸や低呼吸がおこると体は、酸素不足になります。睡眠時無呼吸症候群になると、酸素不足を繰り返すので、睡眠は細切れになり、疲労は回復しにくくなります。そのために、昼間の眠気が出るようになり、仕事の能率の低下、高血圧・糖尿病・脂質異常などの生活習慣病の悪化、交通事故の危険性が高まります。
    1. 3. 睡眠時無呼吸症候群の原因は?
      眠っているときにのどのあたりで空気の通り道がふさがってしまうのが原因です。
    1. 4. 睡眠時無呼吸症候群はどのような人がなりやすいですか?
      太っている人、扁桃腺がはれやすい人、下あごが小さい人は要注意です。また、鼻が詰まりがちな人、普段から口呼吸をする人、眠っているときに口を開いている人、毎晩お酒を飲む人も睡眠時無呼吸症候群になる可能性があります。
    2. 5. 睡眠時無呼吸症候群の症状は?
      以下の症状がある場合には要注意です。
       ・大きないびき、途切れるいびき、あえぐようないびき、苦しそうないびき
       ・睡眠中のトイレ、目覚めたときの頭痛、目覚めたときの口やのどの渇き、わるい寝相
       ・昼間の眠気、集中力の低下、疲労感、性欲減退、イライラ感
   
    1. 6. 睡眠時無呼吸症候群はどうやって調べますか?
      眠っているときの状態を記録して調べます。自宅でできる簡単なスクリーニング検査と院内の検査室に1晩泊まって睡眠状態も含めて詳しく調べる検査があります。1晩の記録を取るので時間はかかりますが、痛みを伴うことはありませんのでご安心ください。
      検査は、夜行いますので、日中は学校やお仕事にでかけられます。
  1. 7. 睡眠時無呼吸症候群にはどのような治療方法がありますか?
    まず、生活習慣の改善(減量、禁酒、禁煙など)が大切です。眠るときの体の向きを横向き~うつ伏せにすると改善する場合もあります。
    また、症状や検査結果に応じて、眠るときに専用の治療器を装着するCPAP治療(シーパップ治療)、眠るときに口に器具をはめる歯科治療(マウスピース治療:歯科に紹介になります)、耳鼻科治療(扁桃腺摘出など:耳鼻咽喉科に紹介になりなす)があります。
  2. 8. CPAP治療とはどんな治療ですか?
    眠るときに、専用の器具を使用する治療です。鼻にマスクをかぶせて、機械から空気を送ってその圧力で睡眠中にノドが狭くなるのを防いでくれます。CPAP治療器具一式を医療機関から借りて眠るときに自宅で使用します。保険診療で受けられる治療ですが、毎月の通院が必要とされています。
  3. 9. CPAP治療は、どのくらいの期間必要ですか?
    よく聞かれる質問です。現時点では、CPAP治療には決まった期間はありません。現在のCPAP治療は、睡眠時無呼吸症候群に非常に有効な治療ですが、根本的な治療ではありません。減量によって上気道が広くなれば、睡眠時無呼吸症候群が改善しCPAP治療を中止したりマウスピースなどの治療に切り替える人もいます。CPAP治療と同時に減量に取り組んでゆきましょう。
  4. 10. CPAP治療はつらくないですか?
    最初は、器具を装着することが面倒だったり、呼吸に違和感を感じる人がいます。また、CPAP機器の運転音やマスクからでる風の音が気になる人もいます。治療を始めるときは、眠る時刻の前から器具を装着して使用感を確認してみるとよいでしょう。しばらく使っているとCPAP治療に慣れて、徐々に体調の変化が実感できるようになってゆくと思います。

睡眠について―より良い睡眠のための12の指針

1.「睡眠時間は人それぞれ。日中の眠気で困らなければ十分。」

・必要な睡眠時間には個人差があり、季節でもかわります。
・高齢になると必要な睡眠時間は短くなります。

2.「刺激物を避け、寝る前には自分なりのリラックス法。」

・就寝前4時間のカフェイン摂取、1時間前の喫煙は避ける。
・読書、音楽、ストレッチ、ぬるめの入浴など自分にあった方法で。

3.「眠たくなってから床に就く、就寝時刻にこだわりすぎない。」

・普段の寝付く時刻の2~4時間前は最も寝付きにくい時間帯です。
・眠ろうと意気込むと頭がさえてしまって寝つきを悪くします。

4.「同じ時刻に毎日起床。」

・早寝早起きではありません。早起きが早寝につながります。
・休日に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなりますよ。

5.「光の利用でよい睡眠。」

・目が覚めたら朝の光を浴びて、体内時計をスイッチオンにしましょう。
・夜の照明は、明るすぎないように注意しましょう。

6.「規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣。」

・朝食は、心と体の目覚めに大切、夜食はごく軽くしましょう。
・運動習慣がある人は、不眠になりにくいといわれます。

7.「昼寝をするなら、15時前の20~30分。」

・長く昼寝をすると起きた時にぼんやりするので、要注意!
・夕方以降の昼寝は、夜の寝つきを悪くします。

8.「眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに」

・寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減るので避けましょう。

9.「睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意」

・背景には睡眠の病気の可能性。専門治療が必要になります。

10.「十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に。」

・車の運転に注意しましょう。
・長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合には専門医に相談。

11.「睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと。」

・睡眠薬代わりの寝酒は深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となります。

12.「睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安心。」

・一定の時刻に服用し寝床に入るようにしましょう。
・睡眠薬は、アルコールとは併用しないようにしましょう。

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